【建設工業新聞 3月 23日 記事掲載】
国土交通省は、公共事業の減少や民需の冷え込みといった厳しい経済情勢を勘案し、09・10年度の競争参加資格審査で、建設業者の格付け等級が急激に変化するのを避けるための経過措置を適用する。等級維持に必要な受注実績を上げられない企業が増えているためで、資格審査の結果、等級が変更になる場合には、経過措置として、従来の等級にとどまることに加え、技術評価点が0点の場合でも従来の等級にとどまることを可能にする。業者側の意思を確認するため、19日に発送した資格認定通知書に「経過措置再申請書」を同封した。経過措置の適用を含め「通知結果に変更を求める場合」には再申請が必要になる。再申請の受け付けは27日まで。
国交省は、「建設生産システムにおける発注者責任に関する懇談会」の企業評価専門部会で、09・10年度の資格審査について議論。工事成績を重視した技術評価点数の採用や、技術評価点が0点の企業は最下位等級にするといった改正点をまとめた。だが、技術評価点が0点の企業が全体の5%に上り、意見募集でも、公共事業が減少する中で十分な受注実績を上げられない企業が増加しているとの指摘が出ていた。従来の等級を維持するため、無理な受注や入札参加を繰り返す企業が現れる懸念もあり、経済情勢も勘案して経過措置を講じることにした。
等級が変更になる場合に従来の等級にとどまるかどうかについては、08年12月の資格審査申請の際に各社に意思確認したものの、技術評価点が0点でも従来等級にとどまれるようにする措置は、申請期限後に決めたため、適用の意思確認をあらためて行うことにした。再申請書はすべての申請企業に送られ、経過措置の適用によって通知結果の変更を求める場合、再申請が必要になる。12月の段階では従来等級にとどまる申請をしていたが、申請を取り下げるという場合も再申請が必要となる。通知結果をそのまま受け入れる場合は再申請は必要ない。
再申請は各地方整備局の契約課に持参または郵送(27日必着)で行う。各地方整備局は、再申請に基づいて31日までに有資格者名簿の修正を完了する予定だ。
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