【建設工業新聞 4月 2日 記事掲載】
国土交通省は、09年度予算での同省所管事業の執行に関する事務次官名の通達を、各地方整備局や所管独立行政法人などに3月31日付で出した。厳しい経済情勢を踏まえ、景気回復に全力を尽くす観点から、特別な事情があるものを除いては過去最高水準の前倒し執行を目指すよう求めた。公共事業の円滑な実施を図るため、調査・設計や公共用地の確保を積極的に進めることも盛り込んだ。事業効果の早期発現を目指し、より計画的な事業執行に努めることも要請した。
入札・契約業務の面では、ダンピング受注への対策を徹底し、適正価格での契約を推進するよう求めた。直轄事業を早期に執行していくため、総合評価方式の入札では、提出資料の簡素化などによって手続き期間の短縮に努めることも要請。これについては別途、通知を出すとしている。
同省は、建設業者が公共工事の受注で適正な利益を確保できるよう、低入札価格調査の基準価格を引き上げることを3月末に決めており、これについても、近く別途出す予定通知に基づき的確に対応するよう求めた。予定価格の適正な積算や設計変更などへの適切な対応も要請。中小建設業者の受注機会を確保する観点から、上位等級工事への参入機会の拡大や、可能な範囲内での分離・分割発注の実施、経常JVの適正な活用も求めた。工事全体での環境負荷の低減や、建設副産物の適正処理といった環境対策の実施も盛り込んだ。
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