建設業景況に若干の改善気配/補正予算に期待感/内閣府 |
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【建設工業新聞 6月 9日 記事掲載】 内閣府が8日発表した景気ウォッチャー調査(09年5月)で、建設業界の景気先行き判断で改善傾向を指摘する意見が出始めた。政府の補正予算編成を背景に、「公共工事が前倒しで行われるなど、受注環境が今後やや良くなる」(建設業、九州)といった声が、一部の建設業者や設計事務所から出ている。民間設備投資の低迷や、ダンピング受注への懸念などから、依然として厳しい意見が多いものの、追加経済対策による公共事業への期待感は高いとみられる。内閣府は「事業がなかった年初から比較すると、厳しい中でも若干改善がみられる」と話している。 同調査は、毎月25日から月末にかけて実施されており、景気の現状と2〜3カ月後の先行き判断について聞いている。先行きについては、「補正予算により、次年度以降に予定されていた自治体の建築工事に着工のめどがつき、設計業務が前倒し発注される事例が増えてきた」(設計事務所、北海道)や「6月以降に受注が回復する兆しがある」(建設業、近畿)といった理由から、「やや良くなる」との回答が寄せられた。内閣府によると、悪化や現状維持と回答していた建設業関連の調査対象者が、判断を引き上げているケースがあるという。 一方で、「少し仕事が出始めたが、同業者の間では投げ売りするところがあるほど工事量が少ない」(建設業、南関東)、「景気対策で公共工事は前倒し発注されているが、厳しい価格競争が続く」(建設業、近畿)との指摘もあり、引き続き注視は必要なようだ。
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