【建設工業新聞
2011年 6月 29日 記事掲載
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国土交通省は、01年の発足以降初の大規模組織再編を7月1日に実施する。現在、3部局に分かれている水関連業務を一元化した「水管理・国土保全局」など4局を新設。高速鉄道・道路や港湾、水インフラなどの国際展開を省内横断で取りまとめる局長級の「国際統括官」も新設する。28日の閣議で組織再編に必要な政令が決定した。閣議後の記者会見で、大畠章宏国交相は「東日本大震災の復旧・復興に一生懸命取り組むと同時に、国際的な大きな変化に対応し、国交省として世界展開を図ることも含めて体制強化を行う」と再編の狙いを述べた。
今回の再編では、流域全体の一体的・総合的管理を推進するため、河川局と土地・水資源局の水資源部、都市・地域整備局の下水道部を統合して水管理・国土保全局を新設する。成長戦略の土台となる国土インフラストックの形成に関わる総合政策局の不動産業・建設産業と土地・水資源局の土地分野を集約して「土地・建設産業局」を設置。併せて、不動産市場整備課も新設し、市場整備機能を強化する。
国土計画局と都市・地域整備局の地域振興分野を「国土政策局」として統合。国土の長期展望や離島などの国土保全で重要な役割を果たしている条件不利地域に関する行政機能を一元化する。新局への移行に合わせて首都機能移転企画課を廃止し、関連業務を総合計画課に移管。地理空間情報や土地分類調査などを推進する「国土情報課」も新設する。大都市の国際競争力の強化に向けた戦略策定や規制緩和・金融支援などの具体化に一元的に取り組む組織として、都市・地域整備局と国土計画局の大都市圏分野を統合した「都市局」を置く。
総合政策局には、地域のニーズや市場動向を踏まえて公共交通政策に取り組む「公共交通政策部」を新設。国際統括官の設置と合わせて、「国際政策課」と「海外プロジェクト推進課」を設置し、国際関連業務の体制拡充を図る。新たな社会・経済ニーズへの対応を強化するため、住宅局に高齢者の居住支援に取り組む「安心居住推進課」を新設。成長戦略にかかわる航空行政の課題に的確に対応するため航空局に「航空戦略課」を設置する。
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