【建設工業新聞
2011年 8月 26日 記事掲載
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国土交通、総務両省は25日、8月9日に閣議決定した公共工事入札契約適正化法に基づく入札契約適正化指針の改正内容を地方発注機関に徹底するため、改正指針に沿って入札契約制度を適切に見直すよう求める文書を都道府県と政令指定都市に出した。地域維持事業に「包括発注」や「地域維持型JV」と呼ぶ新たな契約方式を活用するよう要請。予定価格の事後公表の徹底などの措置を速やかに講じることも求めた。両省は都道府県から傘下の市区町村にも同様の趣旨を周知するよう要請。同日付で財務省との連名で、他の省庁や所管独立行政法人などにも取り組みの徹底を求めた。
要請文では、改正入札契約適正化指針の内容のうち、緊急に実施を求める事項として、▽地域維持型契約方式の適切な活用▽ダンピング対策の強化▽予定価格等の事前公表の見直し▽予定価格の適切な設定▽一般競争入札等の活用に当たっての必要な条件整備▽総合評価方式での手続きの合理化と透明性の確保▽昨年7月に改正された公共工事標準請負契約約款に基づく変更契約の締結の促進▽談合等の不正行為に対する発注者の関与の防止の徹底−の8項目を列挙した。
地域維持型契約方式については、まず地域維持事業の担い手の実情を調査し、担い手確保のために入札契約方法で工夫が必要な地域がないかどうかを把握。担い手が確保できない恐れがある地域があった場合には、地域事情に精通し、迅速・確実にアクセス可能な体制を備えた建設業者で構成するJV(地域維持型JV)の活用や、地域維持事業をまとめた包括発注の導入に取り組むよう求めた。
ダンピング対策の強化では、低入札価格調査の基準額と最低制限価格の適切な見直し、価格による失格基準の積極活用などを挙げ、予定価格の事前公表の取りやめも強く要請した。一般競争入札で地域要件を活用するに当たっては、発注者の恣意(しい)を排除できる運用指針をあらかじめ策定するよう求めた。さらに継続的に措置に努める事項として、▽指名競争入札で談合を助長しないよう指名業者名の入札前の公表の取りやめ▽社会保険・労働保険法令を順守しない企業などを不良・不適格業者として排除−などを追加した。
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