【建設工業新聞
2011年 9月 5日 記事掲載
】
野田佳彦新首相による新内閣が2日発足し、国土交通相に旧建設省OBの前田武志参院議員(73)が就任した。前田氏は河川や住宅・都市政策、建設産業政策など建設行政全般に明るく、震災復興や八ツ場ダム問題、建設産業政策の転換、建築基本法体系の構築や都市計画法の見直しなど山積する課題にどう対応するか注目を集めそうだ。
前田氏は奈良県出身。京大工学部卒で1964年に建設省に入り、河川行政などを担当。退官後の86年に自民党から衆議院議員に初当選し、91年に宮沢喜一内閣で国土政務次官を務めた。93年には小沢一郎氏(民主党元代表)らと自民党を離党し、新進党などを経て民主党結成に参加。衆院沖縄・北方問題特別委員長などを歴任。党の都市住宅問題座長として定期借家権の導入や都市再生プランの作成にも関わった。00年の衆院選で落選した後、04年の参院選で返り咲き、現在2期目。衆院で通算4期務めた経験などを買われ、野田内閣では最高齢のベテランとして入閣した。
前田氏について国交省内には「建設行政全般に詳しい」「事業や法制度の見直しなどの説明では数字の根拠などを細かく聞いてくる実務家肌」との評価があり、「温厚で、よく話を聞いてくれる印象が強い」と期待する声が上がった。
建設業界からは、全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長が「新国交相には早急な震災復興と、自然災害が多発するわが国で国民が安全で安心して暮らせる社会の構築をお願いする」、日本建設業連合会(日建連)の野村哲也会長が「国民生活の安心・安全の向上、産業・都市の国際競争力の強化につながる施策などを着実に推進してほしい」などとする談話を発表した。
|