北上事務所 ニュース |
|
国交省/3次補正予算案/要求総額1・2兆円、全国防災対策に3490億円 |
|
【建設工業新聞 2011年 9月 30日 記事掲載 】 |
|
国土交通省は、11年度第3次補正予算案の要求内容を28日に開かれた民主党国土交通部門会議に示した。要求総額は事業費ベースで1兆2030億円。東日本大震災の被災地の復旧費に4010億円、復興費に4530億円を充て、公共土木施設の災害復旧事業や災害復興住宅の融資、復興道路の整備などを行う。全国の防災対策にも3490億円を計上。被災地だけでなく、全国のインフラ施設の防災対策を強化する。要求総額のほかに、集落の高台移転を進める防災集団移転促進事業などに充てる東日本大震災復興交付金(仮称)の国交省分として1兆3380億円を見積もっている。
復興費の内訳は▽被災者の住宅の確保等2500億円▽インフラの整備等1880億円▽観光対策30億円▽地域公共交通支援20億円▽津波・地震等の観測・監視体制の整備60億円−など。このうち、被災地の住宅の確保では9月末で終了する長期固定住宅ローン「フラット35S」の1%金利優遇措置について、金利幅を見直した上で復活させる。東日本大震災の被災地では1%、その他の地域は0・7%の金利引き下げとなる見通しだ。インフラの整備では、三陸縦貫道などの復興道路・復興支援道路の整備や東北地方の高速道路の無料開放に1180億円を計上。うち、高速道路の無料開放には200億〜300億円が充てられる見通しで、残りの額が道路整備費となる。
全国の防災対策費の内訳は▽河川、港湾の津波対策等700億円▽道路の防災・震災対策等1270億円▽公共施設の耐震化対策等80億円▽地方公共団体が行う防災対策事業の推進1100億円▽巡視船等の整備130億円▽津波・地震等の観測・監視体制の整備90億円▽官庁施設の防災機能の強化70億円。堤防の強化や構造物の耐震補強、土砂災害の危険地域の補強などを行う予定。
東日本大震災復興交付金(仮称)は、被災自治体の裁量範囲を広くするために設けられる制度。防災集団移転促進事業や災害公営住宅整備事業、都市再生区画整理事業、復興まちづくりとして行われる道路、下水道、都市公園などのインフラ整備などに充てる費用として、国交省は1兆3380億円を見積もっている。
|