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安住淳財務相/公共事業5%留保「早期解除へ努力」/地方経済低迷に危機感

【建設工業新聞  2011年 10月  7日 記事掲載 】

 

  安住淳財務相は、6日の参院東日本大震災復興特別委員会で、東日本大震災の復旧費用を捻出するために政府が実施している11年度予算の公共事業費などの5%分を執行留保する措置について、早期解除に努力する方針を表明した。佐藤信秋氏(自民)に対する答弁。佐藤氏は、「5%留保をまだやっている。(留保を)やめないと駄目だ」と指摘。これに対し安住財務相は「ただでさえ公共事業を減らし、地方のすみずみに影響がある。近々、今週にも留保は解除するよう努力したい」と応じた。


  執行留保の解除には、11年度第3次補正予算案など予算全般に関する与野党協議の行方なども関係してくるとみられ、先行きには依然として不透明感が漂っているが、安住財務相の答弁は、政府内で、震災被災地以外の経済の低迷に対する危機感が高まっている表れといえそうだ。
  3月の震災に続き、今夏は梅雨前線や大型台風による豪雨が各地を襲うなど自然災害が頻発した。そうした中で、防災・減災対策を全国で推進する重要性が高まっており、建設業界にも「以前から主張している通り、一刻も早く執行留保を解除してほしい」という声が強まっている。3日に東京都内で開かれた全国建設業協会と国土交通省などによる関東甲信越地区のブロック会議でも、決議に、執行留保の早期解除が盛り込まれた。


  佐藤氏は、3次補正予算の編成について、「日本の経済を興していく気概でやらないと駄目だ」とも述べ、日本全体の経済活性化の視点が不可欠だとの考えを強調した。さらに、東日本大震災からの復興事業に対する地方の負担についても言及し、「地方の税収を考えると負担ができるわけがない。ほぼ10割を国で持つべきだ」と政府による全額負担を求めた。被災地の二重ローン問題にも、早急な対応が必要だと指摘した。

 
 
 
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