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国交省/許可業種区分の抜本見直し不要/たたき台提示、工事内容・例示は再検討

【建設工業新聞  2011年 11月 29日 記事掲載 】

 

  国土交通省は、建設業の許可業種区分(28業種)の見直しに向けたたたき台をまとめた。建設業界団体へのアンケート結果などを参考に、現在の業種区分は安定的に機能していると分析し、抜本的な見直しの必要性はないとする一方、区分設定から40年が経過したことで建設工事の内容が変化しているとも指摘。施工品質の確保に問題がある業種や、社会的課題の解決に顕著な効果が見込まれる業種については新設を含め工事内容と例示の見直しを検討するとした。


  同省は28日に開いた中央建設業審議会(国交相の諮問機関、中建審)と社会資本整備審議会(同、社整審)産業分科会建設部会の基本問題小委員会にたたき台を提示し、了承された。たたき台では、建設投資の減少が続いているのに伴い、一部業種(石、しゅんせつ)を除き完成工事高は減る傾向にあるのに対し、許可業者数は総合工事業では減少傾向にあるものの、専門工事業では横ばいから微増の傾向にあると指摘。その結果から、現在の業種区分は全体としては安定的に機能し、抜本的な見直しの必要性はないと結論付けている。


  ただ、時代の変遷や社会ニーズの変化によって建設工事の内容には変化が生じているとも分析。具体例として、専門工事の中に専門分化が進んだ分野を含むものや、複数の業種を含んで一式工事的内容で発注されるものがあることを挙げた。さらに、新しい技術を使う工事の中には、現行の許可業種区分のどこに区分されるのか明確にされていないものがあると指摘。これらの課題に対応するためには、業種新設や工事の例示・内容の見直しが必要な面もあるとした。


  その上で、今後の見直しの視点として、▽疎漏工事のリスク低減など適正な施工の確保または社会的課題の解決に顕著な効果が見込まれる▽現在、ある程度の規模を持ち、今後工事高の増加が見込まれる(既存業種のうち、他業種と比較して規模が極めて小さいものは残置の必要性を検討)▽工事に必要な技術が専門化し、それに対応する技術者資格を新設できる−の各条件を満たすものを個別に検討していくとした。同日の基本問題小委の会合では、大森文彦座長(弁護士、東洋大学教授)が「建設工事の例示・内容の見直しはぜひやるべきだ」との今後の見直し方針を示した。

 
 
 
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