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大阪府/12年度に津波耐力総点検/防潮堤・水門・鉄扉、延べ290カ所

【建設工業新聞  2012年  2月  7日 記事掲載 】

 

  大阪府は、国の中央防災会議が3月か4月にも示す東海・東南海・南海地震の最大クラスの震度分布・津波高などの推計データを活用して、12年度に府管理の防潮堤(総延長74キロ)や防潮水門、防潮鉄扉などの津波耐力や耐震性の総点検に着手する。東日本大震災による津波被害を踏まえた取り組み。府では、最大クラスの南海トラフ巨大地震への防災対策を話し合う学識者らによる検討委員会を立ち上げ、主に沿岸部の土木施設の耐力・耐震対策を検証する土木系分科会も設ける方針だ。


  総点検の対象になるのは、防潮堤のほか、防潮水門・防潮鉄扉など延べ290カ所。港湾の岸壁についても検証する。国防災会議が示す新地震動で防潮堤の耐震診断を行うとともに、想定津波波力などを使って各施設の耐力などを確認。また、新たな津波シミュレーションによって岸壁に係留している船舶がどのような挙動を示すかなどを検証する。さらに既設のダムなどのリスク点検も実施する方針だ。


  府では、これまでに阪神・淡路大震災の被災状況を踏まえるとともに、国が策定した現行の東南海・南海地震の技術指針に基づいた、防潮堤などの耐震診断を05年度から06年度にかけて実施し、必要な耐力・耐震性向上策を講じてきた。今回、東日本大震災を踏まえた国防災会議の新データによって主に沿岸部の土木施設を総点検し、巨大地震対策を再構築することになる。府都市整備部と環境農林水産部では海岸の土木施設の総点検経費(総額約1億65百万円)の12年度当初予算案への計上を要望している。

 
 
 
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