北上事務所 ニュース |
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国交省/土木工事積算に施工パッケージ方式/10月から、舗装など3工種で先行 |
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【建設工業新聞 2012年 2月 16日 記事掲載 】
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国土交通省は、歩掛かりを用いずに工事費を積算する「ユニットプライス型積算方式」の仕組みを見直し、新たに「施工パッケージ型積算方式」として土木工事で試行を始める。新方式は、機械経費、労務費、材料費を一つにまとめた施工パッケージ単価で直接工事費を積算し、残る共通仮設費と一般管理費などの間接費は従来の歩掛かりを用いた積み上げで算出する。10月1日以降に入札を行う土木工事のうち、ユニット単価の収集が進んでいた舗装、道路改良、築堤・護岸の3工種で試行を始める。
同省は、従来の積み上げ方式と異なり積算作業の大幅な合理化が図れるとして04年度から直轄工事の一部でユニットプライス方式を試行していた。発注者と受注者(元請業者)間で工種単位で合意したユニット単価(合意単価)を収集。総価契約単価合意を行い、その合意単価を工種単位でDB化して他の工事の積算にも活用する。ただ、単価形成時に低価格入札のデータが反映される部分もあり、予定価格の下落につながるとの指摘があった。さらにユニット単価自体も公表されず、価格の妥当性を疑問視する声もあった。
新たな施工パッケージ方式は、直接工事費、共通仮設費と一般管理費の一部を一つにまとめてつくる従来のユニット単価の構成を、直接工事費の部分のみ(施工パッケージ単価と称する)に限定。共通仮設費などを組み入れたユニット単価の形成にかかる手間を解消する。特に数量変動の生じやすい作業土工の部分を単独で施工パッケージ化し、作業土工の施工量の変動に対応できるようにする。
さらに施工パッケージ単価を市場価格により近い形で設定するため、受発注者間の合意単価だけでなく、応札者から提出された工事費内訳書の単価(低入札調査基準価格以下のものは排除)なども活用。複数年の単価傾向などを把握し、各地域の工事発注時の積算時に使う「標準単価」をつくる。標準単価は東京地区の単価とし、補正式を使って実際に積算を行う地区別の「積算単価」をつくる。東京の標準単価と補正式は公表し、価格算定の透明性を確保する。国交省は本年度末でユニットプライス方式を廃止。10月まで従来の積み上げ積算方式で工事を発注。10月以降、施工パッケージ単価の試行工種を順次拡大する。
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