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国交省/土木積算の法定福利費引き上げ/保険未加入対策で、予定価格0・8%上昇

【建設工業新聞  2012年  3月  8日 記事掲載 】

 

  国土交通省は、同省が発注する土木工事の予定価格を定める際に使う土木積算基準のうち、現場管理費の算定式(率式)を見直す。現場管理費のうち法定福利費分を算出する際、従来は元請・下請企業の保険加入の実態調査を基に工種別の現場管理費率式で算定してきたが、12年度から建設業許可業者の保険加入率100%を目指す取り組みが始まるのを踏まえ、100%加入を前提とした率式に改める。試算では、予定価格が平均で0・8%上乗せされることになる。4月1日以降に入札する土木工事から新基準を適用する。


  受注競争が激化する中で、利益確保のために法定福利費(社会保険料)を適正に負担しない企業があり、国交省はこうした企業を排除する必要があると判断。有識者による検討会を設けて2月末に保険未加入企業の排除策をまとめた。その中で法定福利費の確保については「発注者が負担する工事価格に含まれる経費であることを周知徹底するとともに、個別の請負契約の当事者間で見積もりから適正に考慮するよう徹底する」と指摘されている。これを踏まえ、発注者が負担すべき法定福利費(事業主負担分)を予定価格に適切に反映できるよう現場管理費率式の見直しを決めた。


  これまでは、保険加入の実態調査結果による支払額に基づき、現場管理費率式の一部として法定福利費を計上してきたため、加入率が100%よりも少ない割合で算定されていた。今後は実態調査結果に関係なく、加入率100%を前提にした支払額で算定されることになる。


  見直しの対象は河川や海岸、道路改良、舗装、トンネル、下水道など21工種。新たな率式を使って予定価格を積算した場合、改正前と比べ予定価格は21工種全体で平均0・8%上昇する。工事費に占める法定福利費の割合が最も高くなるのは河川維持工事で、改正前に比べ1・49ポイント増の6・7%となる。国交省は今後、港湾・空港関連工事でも同様に現場管理費率式の見直しを検討する。

 
 
 
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