北上事務所 ニュース |
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国交省/技能者確保・育成検討会に下部組織設置へ/専門実務者で具体策協議 |
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【建設工業新聞 2012年 8月 30日 記事掲載 】
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国土交通省は、有識者会議の建設産業戦略会議が7月にまとめた報告書「建設産業の再生と発展のための方策2012」に盛り込まれた主要施策の実施に向けて9月中旬に発足予定の三つの検討組織のうち、技能者の確保・育成に関する検討会(本会)の下に三つの検討の場を設置する。検討項目が多岐にわたり、具体化には専門知識を持つ実務者による検討が必要と判断した。「専門工事業の評価」「就労履歴管理システム」「戦略的広報」の三つを想定している。
建設業の再生・発展方策2012には、技能者の確保・育成を推進する施策として、社会保険未加入対策の徹底や就労履歴管理システムの構築、専門工事業を評価する新たな仕組み、登録基幹技能者制度のさらなる普及、建設業への就業促進のための戦略的な広報など多様な取り組みが盛り込まれている。施策内容が一つ一つ異なり、具体化には高い専門性が求められる。このため、国交省は9月中旬に発足させる検討会の本会で、各項目の施策展開についての基本的な考え方を固めた上で、実務者による検討の場で具体策を詰める形を取ることにした。
検討の場を設けるテーマは、方策2012の施策の中で特に具体化の機運が高まった3項目に絞る。検討の場の位置付けをワーキングチームとするか、勉強会とするかなどを検討中だ。専門工事業を評価する仕組みは、公共工事の発注者が元請企業を選定する際、下請企業を含めた的確性を評価するのに使うことを想定。仕組みの全体像や評価項目を協議する。
就労履歴管理システムについては、技能労働者の資格や管理経験、社会保険加入状況の確認などに活用する仕組みとし、労務や安全管理、社会保険加入などの各種事務の効率化につなげる。戦略的広報では、新規就業者に増加につなげる広報施策を検討する。登録基幹技能者の普及方策については、あらためては検討の場を設けず、建設業界とつくっている「基幹技能者制度推進協議会」を活用。この場で公共工事の入札・契約制度と連携した活用方策などを検討していく方針だ。
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