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国交省/業種区分の見直し議論再開/資格設定の可能性と市場規模を考慮

【建設工業新聞  2012年 11月  6日 記事掲載 】

 

  国土交通省は、建設業の許可業種区分(28業種)の見直し議論を9カ月ぶりに再開した。5日に開いた中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)産業分科会建設部会の基本問題小委員会に「技術者資格の設定が可能で一定量の市場規模が見込まれることなどを考慮して新たな業種を設定する」との基本的考え方を提示。前回示した既存一式業種(建築、土木)の中から一定分野を施工できる新たな業種区分を設けるとの案には、慎重な検討が必要との考えを付記した。


  国交省は、1月の小委で許可業種区分見直しへの対応方針を提示。その中で修繕・リフォームや解体・リサイクルに関連した業種設定の検討と、建築、土木の既存一式業種のうち一定の分野を施工できる新たな業種を政省令で柔軟に設定できる仕組みの検討を打ち出している。


  5日の小委に示した新たな考え方では、業種区分新設のプラス面の影響として、より専門的な技術を持つ建設業者の施工が可能になり、安全性や品質の向上が期待できることを指摘。その半面、▽新業種の許可を取得できない場合は従前請け負えた工事を請け負えなくなる▽新業種の許可取得や経営事項審査の受審で企業と許可行政庁の負担が増す▽新業種に対応した資格・実務経験を持つ技術者の確保・配置で企業の負担が増す−とのマイナス影響も列挙した。その上で、新業種区分の設定は、規制の強化・緩和の影響や社会的負担の増加を考慮しても適正な施工の確保につながり、社会的課題の解決にも顕著な効果が見込まれることが議論の前提と指摘。この前提を満たした上で、新業種の工事に必要な技術者資格が設定できることや、一定の市場規模が見込まれることが条件になると明記した。


  前回会合で示した既存一式業種の内容のうち一定の分野を施工できるようにする新業種の設定については、生産性向上や重層下請構造の是正には役立つとする一方、配置される技術者の要件が緩和される可能性があり、慎重な検討が必要との考えも提示した。国交省はこれらの基本的考え方に沿って、今後の会合で詳細を詰めていく方向だ。

 
 
 
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