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公共事業費の安定化期待/強靱化、活性化に計画的予算

【建設通信新聞  2012年 12月 20日 記事掲載 】

 

  公共事業の一時的な規模(量)よりも、安定性を重視する傾向が、建設業界で強まっている。衆院選で大勝した自民、公明両党では、景気への配慮や2013年度当初予算編成の遅れをつなぐため、12年度に大型補正予算を編成する動きが出ている。一方、建設業界では、「大型の補正」よりも、小泉政権以来、減少が続いている当初予算での公共事業関係費の“安定化”に期待する声が高まっている。


  自民、公明両党は、26日に発足予定の連立政権後に、10兆円規模の12年度補正予算を編成する準備を進めている。これは、消費増税実現や13年度当初予算編成の遅れ、来夏の参院選を見据え、景気を盛り上げる必要があるとの判断からだ。公共事業費の確保・拡大は、建設業界が10年以上求め続けている要望であり、その意味で新政権に対する期待も高い。


  だが、建設業界では、「補正」と「当初」を分別せず、一括りにしたかつてのような公共事業予算確保・拡大という要望は少ないのが実情だ。


  例えば、全国建設業協会の淺沼健一会長が衆院選前に「あえて公表する」とした意見書「社会資本整備の着実な推進について」では、要望項目の最初に「公共事業予算の確保・拡大」を掲げてはいるものの、単なる確保・拡大ではなく、「公共事業費の削減の流れに歯止めをかけ、計画的に」という言葉が付いている。災害に強い生活基盤づくり、地域経済の活性化には、「計画的」であることの重要性を指摘している。


  日本道路建設業協会の三好武夫会長も、国土交通省地方整備局との意見交換会後の会見で、道路の維持管理に対する懸念の前提として「当初予算ベースで公共事業費の削減が続いている」ことを挙げた。当初予算ベースを重視する背景には、維持管理・修繕を着実に実施するために、一時的・突発的な予算配分ではなく、安定的・計画的な予算の確保が必要との考え方がある。


  大手建設業団体の幹部も「『真に必要な社会資本の整備』を求めているのであって、たくさん公共事業を出してほしいという要望は、一度もしていない。安定的な予算を求めている」と指摘する。地域建設業の団体の幹部も「どんどん予算を出してほしいのではなく、計画的に公共事業を進めてほしい」という。


  その背景には、一時的・突発的な大型予算で、一時的に大量の公共事業が発注されることが、決して建設業界にとって良い結果をもたらすものではないとの認識が定着しつつあるからだ。ある地域の建設業者も「災害復旧や景気対策で一時的に大量の工事が出ると、それをこなすために借金をする。その後に工事がなくなれば、借金に耐えられなくなり、つぶれる」という。一時的な大量の公共工事は、結果的に地域の建設会社の倒産を招きかねないという指摘だ。


  削減され続けた公共事業費の「回復」は必要だが、あわせて「安定的」であることも必要との意識が広がっている。

 
 
 
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