北上事務所 ニュース |
|
15ヵ月予算/公共土木に7.7兆円/建築含め10兆円超規模
|
|
【建設通信新聞 2013年 1月 31日 記事掲載 】
|
|
政府方針の2012年度補正予算と13年度予算を一体的に執行する「15カ月予算」として見ると、土木と建築を合わせた公共事業の規模は、10兆円を超える見通しとなった。「一般公共事業費」と「災害復旧等事業費」で構成する一般会計の公共事業費(土木分野)予算額は、前年度比69.1%増の7兆7372億円となることが分かった。これに東日本大震災復興特別会計などの特別会計に計上する事業費や一般会計で建築分野に当たる「その他施設費」を加えた額が、実際の公共事業の予算規模となる。
公共事業費の15カ月予算額前年度伸び率分は、ほぼ補正予算計上額に当たる。これは、12年度予算額に地域自主戦略交付金の公共事業費相当分の6551億円を加えた5兆2285億円と、13年度計上額から復興特会に繰り入れた356億円、国有林野特会の一般会計化に伴う29億円の直轄事業負担金を除いた5兆2467億円を比べた場合、伸び率は0.3%にとどまるためだ。
12年度補正予算案では、公共事業費に加え、公共事業の自治体負担を国が肩代わりする1兆4000億円と、その他施設費の9000億円も計上。計4兆7000億円とし、これに日本高速道路保有・債務返済機構への出資金8000億円を加えた5兆5000億円を建設国債として新たに発行する。
農林水産土木急増
地方への波及確実
「15カ月予算」で特徴的なのは、国土交通省関係で、自治体の老朽化対策などを支援する防災・安全交付金が補正と13年度予算を合わせて1兆5957億円を確保、地域に対する支援強化を明確にした点だ。
また、農林水産省の農林水産系土木事業は、「15カ月予算」で一般公共事業費を大幅に伸ばした。民主党政権で一気に6割減となった土地改良事業が倍増となったほか、治山・森林整備の林野公共が75%増、各地の漁港耐震化などを目的にした水産基盤整備も74%増、農山漁村の防災・減災対策を自治体が行うための農山漁村地域整備交付金は約29倍増で、農水省の一般公共事業費は2.4倍となった。
農水省所管公共事業費が増加したことで今後、中山間地域や沿岸地含めた地方の建設産業界にとって一定規模の市場が見込めることになる。
13年度予算案閣議決定直後に開いた自民党の農林水産戦略調査会・農林部会・農政推進協議会合同会議で、小里泰弘部会長は「ようやく予算規模を戻せた。ただ事業の着実な推進には当初予算の確保が必要だ。これから14年度概算要求へ向け活動を進めなければならない」と気を引き締めた。
|