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太田昭宏国交相/安定的・持続的な公共投資を/経財諮問会議で必要性強調

【建設工業新聞  2013年  5月  8日 記事掲載 】

 

  太田昭宏国土交通相は、7日に開かれた経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に出席し、公共投資の安定的・持続的な確保を図る必要性をあらためて訴えた。太田国交相は、日本では厳しい財政状況に伴い公共事業関係費の縮小傾向が続いてきた一方で、欧米諸国ではインフラの重要性が再認識されつつあるとも指摘。人口減少、発生が予測される大地震、インフラの急速な老朽化、都市間競争の激化など国の存亡にもかかわる課題も山積しているとして、防災・減災対策や社会資本の戦略的維持管理・更新に取り組むためにも公共事業予算が持続的確保が必要だと強調した。


  諮問会議は、6月に策定する経済財政戦略「骨太の方針」に向けて、経済再生と財政健全化の両立を議論している。太田国交相は、同日の会議に臨時議員として出席し、「社会資本整備について」と題した資料を提出。公共投資の安定的・持続的な確保を図る必要性を訴え、防災・減災対策、社会資本の戦略的維持管理・更新、成長力の強化、地域の活性化、社会資本の効果的・効率的な整備など、同省が展開する施策を包括的に説明した。この中で、建設後50年以上を経過する社会資本の割合の推移を提示。道路橋は12年3月時点で約16%だったのが32年3月には約65%、河川管理施設は約24%から約62%、下水道管きょは約2%から約23%、港湾岸壁は約7%から約56%に拡大するとの予測を示した。


  急速な老朽化に対応して同省は、13年を「メンテナンス元年」と位置付け、緊急点検・補修と必要な制度・体制整備に取り組む方針。施策を進める上で新技術の開発と個々の施設の長寿命化計画の策定などにより、急増する更新費用の平準化を図る考えも示した。


  老朽化対応の一例として太田国交相は、首都高速道路都心環状線の築地川区間(東京都中央区)を、民間都市開発と一体で進めるモデルケースにすることを提案。東京都など関係機関と連携した検討を進めていく考えを表明した。掘割構造で造られている同区間の道路の上にふたをかけ、その上部空間を高度利用して整備資金を民間から調達するPPP・PFI手法を導入することをイメージしている。

 
 
 
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