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安倍政権/インフラ輸出戦略に5本柱/官民連携強化、20年に受注額3倍へ

【建設工業新聞  2013年  5月 20日 記事掲載 】

 

  安倍政権のインフラ輸出戦略が固まった。設計から建設、運営、管理までを一括したシステムとして売り込む方針を明示。官民連携のさらなる強化や中小・中堅企業の海外展開支援、耐震補強など新分野への進出支援など5本柱の施策を推進し、20年に日本企業の海外インフラ受注額を現在の3倍となる約30兆円まで増やす。6月にまとめる成長戦略に盛り込む。海外進出を進める建設業界にとっても追い風になりそうだ。


  5本柱は▽官民連携の推進▽企業や地方自治体の海外展開支援と人材の発掘・育成▽国際標準の獲得▽医療や農業、宇宙、防災・海洋インフラなど新分野への進出支援▽安定的で安価な資源確保の推進。官民連携によるプロジェクトの獲得に重点を置く。企業の海外展開を後押しするため、円借款の戦略的活用(本邦技術活用条件の制度改善など)や技術協力、国際協力機構や国際協力銀行などによる金融支援を戦略的に展開。開発対象が広域に及ぶ大型プロジェクトに対しては早い段階から政府が関与し、相手国政府との連携や政策対話などを実施する。


  中小・企業や地方自治体によるインフラ分野での海外展開も促すほか、必要な人材の発掘や育成も支援する。防災分野のノウハウや技術も生かし、インフラシステムの輸出によって新興国の防災機能強化に貢献していく方針。長大橋の耐震補強工事など防災インフラ技術の海外展開を促進する。


  エリア別では東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を「絶対に失えない、負けられない市場」と最重視。中東やロシア、旧ソ連各国、中南米、インドなどでは競合国に先んじて重要インフラ案件の受注獲得に集中的に取り組むとした。アフリカでは日本勢の実績や基盤づくりに注力し、政府開発援助(ODA)との組み合わせを含め、日本企業進出の成功事例を一つでも多く創出。6月に横浜市で開くアフリカ開発会議も活用してインフラ輸出の拡大を目指す。戦略の早期実現に向け、体制整備を含めた実施状況を今秋までに一度集約。重要案件については経協インフラ戦略会議(議長・菅義偉官房長官)で検討し、進ちょく状況や今後の予定を管理する。

 
 
 
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