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官庁営繕事業/法定福利費を別記明確化/単価改正、予定価格1.5%上昇

 

【建設通信新聞  2013年  9月 27日 記事掲載 】

 

  国土交通省は、公共建築工事での法定福利費の計上を明確化させる。まず官庁営繕事業で活用している公共建築工事見積標準書式を改定して事業者負担の法定福利費を別記するようにし、法定福利費が含まれていることを明確化する。合わせて、複合単価と市場単価も補正、事業者が負担する法定福利費を予定価格に適切に反映することで予定価格が約1.5%上昇すると見込まれる。10月1日以降に公告する官庁営繕事業から適用していく。26日に開いた社会保険未加入対策推進協議会で提示した。


  改定では、見積内訳書の内容説明の中で法定福利費に関する記述を追加。従来は諸経費の一部に盛り込まれているとして切り出した記載は不要としていた法定福利費を別項目として記載することを求める。社会保険未加入対策が進む中で公共建築工事での対応も必要と判断し、費用計上を明確化できるように見積標準書式を見直した。


  国交省官房官庁営繕部が、各地方整備局に対して10月1日以降の公告案件から試行するために通知を発出する。他省庁や独立行政法人にも情報提供する予定だ。本格導入に向けては、下期から国や自治体で構成する公共建築工事積算研究会で見積標準書式の改定案を作成し、運用に備える。


  見積標準書式の改定に合わせ、法定福利費を予定価格に反映するための対応も並行して進める。官庁営繕事業の予定価格設定は、建築の場合、見積もりを基に作成する見積単価と、元下間の取引価格を調査した市場単価、材料費や下請経費などの組み合わせによる複合単価、材料単価を基に算定しており、複合単価と市場単価でも法定福利費に相当する補正を実施する。


  複合単価は、下請経費などが含まれる「その他率」で上限値を採用できるように変更。市場単価は法定福利費相当分の補正を実施するとしている。両単価の補正により、予定価格は約1.5%上昇すると試算している。

 
 
 
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