2009/2/2 国交省/登録基幹技能者の積極活用を働きかけ/実態調査で課題浮き彫り

【建設工業新聞 2月 2日 記事掲載】

 国土交通省は1月30日、建設業法に基づいて認定される「登録基幹技能者」の工事現場での活用実態などを把握するため、基幹技能者制度推進協議会(事務局・建設業振興基金)が行っていたアンケート調査の結果を明らかにした。


  それによると、ゼネコンなどの現場代理人を対象にした調査では、基幹技能者資格の認知度は75%、登録基幹技能者制度の認知度は60%に達しているが、現場への基幹技能者の配置の経緯については、「元請側から基幹技能者の配置を要請した」との回答はわずか7%にとどまり、現場で積極活用するというレベルには至っていない実態が明らかになった。ただ、配置された基幹技能者が通常の職長に比べて元請との調整能力、作業管理能力、安全管理能力、他職種との連携・調整能力が優れているとの回答が多く寄せられており、現場で大きな力を発揮していることもわかった。


  国交省はこの結果を受け、基幹技能者の認知度アップと、現場での活用を働きかけるためのPRを積極的に展開する方針だ。2月下旬に開く基幹技能者制度推進協議会の大会までに、現在のものより内容を充実させた新しい基幹技能者ガイドブックを作製し、全国に配布する予定だ。


  今回の調査は、元請業者と基幹技能者資格を運営する専門工事団体(21職種・28団体)を対象に、昨年10〜12月に実施した。登録基幹技能者の資格は、講習実施機関として国土交通省に登録された資格運営団体が行う講習を受講し、修了証を取得した人に与えられる。昨春、経営事項審査(経審)の新審査基準が施行され、登録基幹技能者の保有が評点の加点(1人当たり3点)要素となっている。


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