|
平成20年度改正予定の経審では、
評点ウエイトが大きく変化しました。
現行経審 : X1(35%)、X2(10%)、Y(20%)、Z(20%)、W(15%)
改正経審 : X1(25%)、X2(15%)、Y(20%)、Z(25%)、W(15%)
- 完工高評点(X1)が、35% → 25% と減少
- 自己資本額及び職員数値評点(X2)が、10% → 15% と増加
- 技術力評点(Z)が、 20% → 25% と増加
- 完成工事高の点数(X1)
現在の経審の課題として「完成工事高評価の偏重」と「経営状況分析における評点分布の偏在」が挙げられています。
ここで、完工高評点に偏らないためにウエイト付けの変更で完工高評点(X1)の係数0.35から0.25引き下げ10%ウエイトが下がりました。(完成工事高評価の偏重の回避)
また、評点の下限値を、現行の580点から400点程度に引き下げられました。
完工高規模が5億円以下の企業に影響が出ます。(ペーパーカンパニーの排除)
完工高の上限値を、2000億円から1000億円に引下げ、評点の上限値も2616点から2200点程度に引き下げられました。(大手企業の完工高評点偏重の回避) 現行経審では、X2評点は経営規模を評価する指標として、自己資本額の点数(X21)と建設業従事職員数の点数(X22)より成り立っていました。
しかし、改正経審では、自己資本額評点(X21)は、今までの自己資本額/年平均完成工事高の計算で求める規模(完工高)の割合ではなく自己資本額の絶対額を評価し、X22評点も、職員数/年平均完成工事高の割合で求める評価から利払前税引前償却前利益(EBITDA:イービットディエー)の絶対額評価に変更されました。
- 自己資本額の点数(X21)
改正経審での自己資本額の点数(X21)は、自己資本額の下限値を0円として、上限値を3000億円までとする金額を評価テーブルもしくは評価式により計算することとなります。
- 利益額の評点(X22)
現行経審の建設業従事職員数の評価は廃止し、改正経審では利益額の評価を採用する予定です。利益額の評価では利払前税引前償却前利益(EBITDA)、すなわち、営業利益+減価償却費で求められます。
EBITDAは、他人資本を含む資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す利益概念といわれています。
また、会計基準による差異が小さく、年度の変動も小さく評価として適正と判断されています。EBITDAも利益額の下限値を0円として、上限値を300億円までとした金額を評価テーブルもしくは評価式により計算することとなります。
- X2評点
X2評点は、上記のX21の点数とX22の点数を概ね1:1で合算した数値で評価します。
また、評点の設定に当たっては、兼業企業と建設業との評価の公平性から、建設業を主とする事業者の自己資本額及びEBITDAの水準を勘案するとされています。
現行経審のX2は下限値が118点で上限値が954点です。
改正経審では400点から2200点程度になります。
さらに、現行経審のX2のウエイトが0.1から0.15に変わりますので、それを勘案しますと、現行経審のP点換算では12〜90点から60〜330点となります。
X2の平均値は概ね700点に設定されますので下記の表のようにまとめられます。
現行経審: 下限値(12) 平均値(70) 上限値(95)
改正経審: 下限値(60) 平均値(105) 上限値(330)
改正前の経審ではP点換算で、平均値から上限値まで25点(95-70)しか差がつきませんが、改正経審では225点(330-105)も差がつきます。
X2評点はウエイトとして0.1から0.15と5%アップしたに過ぎませんが、実際にはそれ以上の点数差がつくこととなり、評価としての重要度は大きいと思われます。
しかも、絶対額の評価ですから、上位層には規模が大きく、自己資本と利益が充実している企業が想定されます。
従って、中堅・中小の規模の企業においても大きく差が開くことになりました。
|
|
|
|