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その他の審査項目、社会性等の審査項目(W)評点の上限引き上げ
- その他の審査項目W評点は、企業の社会的な責任(CSR)に対する関心が高まる中、建設業においても、社会的責任を適切に果たしている企業を高く評価することが必要とされています。このため、既存の評価項目のうち、労働福祉の状況、建設業の営業年数、防災活動への貢献の状況については、加点幅及び減点幅を拡大し、社会的責任の果たし方によって差がつくような評価体系にするように変更されました。
総合評定値P点におけるウエイトは、現行どおり0.15と変わりませんが、W評点の上限は引き上げられるようになります。
具体的には下記の項目が改正予定です。
- 労働福祉の状況(W1)
1)「雇用保険未加入」の評点が未加入のとき−15点から−30点に変更されます。
2)「健康保険・厚生年金保険の未加入」の評点が未加入のとき−15点から−30点に変更されます。
3)「賃金不払い件数」の評価が廃止されます。
4)「建退協加入」の評点が加入時に7.5点から15点に引き上げられます。
5)「退職金一時金制度の導入」と「企業年金制度の導入」が一つに統合され「退職金一時金もしくは企業年金制度の導入」となり、評点は加入時に15点となります。
6)「法定外労働制度への加入」の評点が加入時に7.5点から15点に引き上げられます。
- 「工事の安全成績」の評価が廃止されます。
- 「建設業の営業年数」の評点が上限30点から60点に引き上げられます。
ただし、下記の「再生企業に対する減点措置」が加わりました。
・再生期間中は「営業年数」評価の最大値である60点を一律に減じて評価
・再生期間終了後の「営業年数」評価はゼロ年から再スタート
- 「公認会計士等数」が「建設業の経理の状況」となり「監査の受審状況(会計監査人の設置、会計参与の設置、社内の経理実務責任者[公認会計士等の現行加点対象有資格者]のチェックリスト<※>に基づく自主監査の評価)」と「公認会計等数(現行と同様)の2つの評価となります。評点は上限が10点から30点に引き上げられます。
※チェックリスト:建設業の経理が適正に行われたことに係る確認項目<国交省>
- 「防災協定締結の有無」は締結しているとき、評点が3点から15点に引き上げられます。
- 「法令遵守状況」が加わります。審査期間内に営業停止処分を受けた場合は−30点、指示処分を受けた場合は−15点減点されます。
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「研究開発の状況」が加わります。加点対象は会計監査人設置会社に限定し、公認会計士協会の指針などで定義された研究開発費の平均金額を評価することにしました。
以上の項目の追加・変更・廃止を通じて、その他の審査項目W評点の最高点は現行の103点から175点に引き上げられます。
総合評定値P点のウエイトは変わっていませんが、W評点の幅が広がったことにより、評価のばらつきが大きくなる事が想定できます。
また、「労働福祉の状況」で減点項目があったとき現行では下限値は0点でしたが、改正後はマイナス評点を生かしW評点に影響するようになることも評点格差がつく要因となるでしょう。
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